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レポート作成日:2022/11/28

課題深掘り会 #1~#2レポート

 【レポート】とちぎデジタルハブ課題深掘り会 #2「災害時のボランティアセンターの運用について」を実施 2022/11/28

 

課題提供: 災害時のボランティアセンターの運用について (八木さん)

災害ボランティアって聞いたことあります?
 災害が起きると社会福祉協議会が設置する。
ボランティアを一元的に調整する組織。災害が起きると被災者が発生する。
 助けたいというボランティアが多くいる。
 災害ボランティアセンターはどこにどんな人がいて、何に困ってるのかというニーズを把握する。
 ボランティアの紹介所のような感じでコーディネーターの役割を担う。
 福祉業界は、今後のデジタル活用の可能性がすごいあるけれど、人が中心になっているので、どこまでデジタル化できるのかというところで足踏みしている。

①ボランティア受付
 活動日ごとに受付をすることが必要。(事前受付をすることも可能なところもある)
 そのやり方がとってもアナログ。
 ボランティア受付表は、とても細かく個人情報をもらうことになっている。活動中に事故等、何かあった際に家族への連絡のために細かい情報をいただくことになっている。
②ボランティア活動への紹介
 グループに分けてどこで何をするのか紹介する。実際に職員が事前に現場に行って人数や道具等何が必要か確認して準備する。静岡県など他県では、kintone(*webデータベース型アプリ)を使って試験的に対応しているところもある。
③実際に活動する
 諸々の工程を経たら実際の活動をしていく。活動が終わったら報告をしていく。
 一度で終わりではなく、毎日続いていく。

災害現場では①人、②物、③お金、④情報、が必要。
①は経験不足の人が多い。情報発信が少なく、ボランティアが集まらないこともある。
②は市街地になる程、集まる場所等がない。
③はお金が足りない。
④は被害状況がわかりにくい。情報の発信の仕方が脆弱。被災者に対してもボランティアに向けてもなかなか発信することが難しい。
 コロナの影響で県外からの支援が得にくい。職員間の情報共有が難しかった。

100%デジタルは対象者的に不可能だとは思うけれど、一方で人だけだと回らないという実情もあるので、デジタルと人の力を合わせたサイボーグ型のボラセンがあったらいいなと思う。

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課題に対する参加者からの質問
①Googleアプリの連携等を活用して、何回も情報を貰わなくても行けるようにできないのか。ボランティアをする人は、市町村や県内ばかりではない。その地域だけじゃなくて全国的に連携する仕組みがあった方がいい。
 →kintoneとか等の活用でうまくやっているところもあるが、全国的には進んでいない。
  栃木県内でも実際に仕組みはあるがうまく回っていないところも課題認識としてはある。
②各地域のニーズは認識の共有されてる?
 →されてない。各市町の認識に留まっている。
③北海道の地震や諏訪湖の災害の時に被災者となった経験がある。インフラが被害を受けて、発信も受信もできないところにいた。また、令和元年東日本台風のときは鹿沼市や栃木市が酷かった。実際の被災地よりも、その周りの地域の社会福祉協議会が、被災地の状況を整理して外部に向けて適切な情報を流していくのが必要なのではないか。情報の流通に関してケースを溜めていくのはとても大事。平時から準備連携していくのが大切だと思う。
④ボランティアに来る方はどういう活動や行動をされるのか。
 →災害によって異なるが、まずは体力系の仕事をする。しかし、それでだけではなく、一人で留守番する子供や買い物に行けない高齢者などの支援、傾聴ボランティアなども必要。
  報道があまりされないが、生活支援というところがとても大切な面になってくる。
  なお、県内の社協が協定を結んでいるので、依頼があれば駆けつけるような体制はできている。
  これからは3者連携(行政・社協・NPO)をしていきたい。
⑤リピーターになる人たちは20%くらいはいると思う。装備を揃えるのが難しいという面もある。年齢層はとても幅広い

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課題アイデアに対する意見交換

・保険業は被災者の家を回ることになる。保険代理店と協力することができれば情報は集まると思う。
・数年前の話だけれど、被災地の状況がわかりにくいというのがあった。情報があっても管理側にどう渡していいかわからないという課題に対して、通信機付きのドローンを使ったら解決するのではないか。
・マイナポータルは使えないのか。ぴったりサービスというものがある。地震とかで倒壊した時に使える。被害があったという時に申請して報告することで同じシステムでニーズや情報が一元的に把握しやすいので、情報やデータを統一していくことが大切ではないか。
・新たなシステムを作るのもアリかもしれないが、すでに使われているものを応用していくという進め方をしていくことで、普及は簡単になるのではないか。だが、ターゲットによってツールの使える・使えないはあるので、支援の幅が変わってくる。
・消防団では、ドローンの配備の予算が付いているところもあるよね。ドローンの活用はこれから事例が増えていくと利用可能性は大きくなっていくと思う。センサーがついているものなら建物内も把握することができる。
・ボランティアを求める人はどのタイミングでどんな情報を発信しているの?
 →対象者が高齢者だとアナログで一件一件訪問して回るしかない。
  いわゆる「災害弱者」と呼ばれる高齢者や障害者が困っており、「ボランティアって何?」というレベル。
  こうした人たちに情報を届けたり、発信してもらったりするには、どのようにしていけばいいかすごく難しい問題。
・社協として限界があるので、普段からどんな形で周りと連携できるのか、効果的に活動や情報発信ができるのかといった可能性の議論をしていく必要がある。

八木さんコメント
社協だけでやるのは100%無理。普段から連携していくというやり方をしていかないと厳しい。宇都宮市にはスペシャリストがたくさんいると思うので、横のつながりを持って連携してくことでこれからが明るくなると思う。

 

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【レポート】とちぎデジタルハブ課題深掘り会 #1「外来種の分布拡大」を実施 2022/11/28 

 

デジタルハブに投稿されている課題(これから投稿も)について理解を深め、課題解決を考えていく「課題深掘り会」。
当日20名を超える参加者とオンラインで、議論し、深めていきました。
今回のテーマは、①外来種の分布拡大について(栃木県自然環境課) ②災害時のボランティアセンターの運用について(八木さん)の2つ。
初めての試みでしたが、新たな課題との出会い、また解決アイデアとの創発など、みんなで考えるとこうも広がるのかと楽しい時間になりました。
デジタルハブを活用し、地域課題の可視化と解決を共に考えてくれる仲間と、もっと出会える場にしていきたいと思います。
次回は、12月21日(水)19:00~20:30 です! ※課題提供者も募集中(コーディネーター岩井)

\参加者感想/
・こういう場に参加することで意識の醸成が進むと思うので、子供にも参加してほしい。解決手段とかではなく、こういう話の中で進むのが大事だと思う。
・デジタルハブ自体に関心があって参加しました。こういうシステムを広げていくことで解決に導いていくのはいいと思う。また参加したい。
・2つの話題とも興味深かった。自分の課題としては、ホテル業として災害時に被災された方を受け入れている。そのとき、保険の調査員の需要がすごい。ボランティアの方が宿泊される時にお金をもらう時に考えさせられるものがある。後から補助金が出たりすれば、安心してホテルが受け皿になれるのではないか。
・外来種については、絶滅危惧種の研究をしていたので馴染みがあった。ボランティアセンターは初耳だった。こういう場に参加したことで、次の機会に生かせる気付きのヒントを得られた。
・防災に関して、非常に多岐にわたった課題があるなと感じた。自治体の備蓄品がどこにどの程度あって、リアルタイムにどのように減ったりして、避難所にどう入っているのか等について、デジタルで連携をしていかなければいけない。
・外来種に関しては、サイエンスカフェを開催しているのでそこを使ってもらっても大丈夫なのでお声掛けください。災害に関しては、消防団の情報版の情報団みたいな組織があれば、実際の災害の際にすんなりと解決に導いたり情報の伝達がスムーズに進むことができるのではないか。
・小山市中心にSDGs系の発信をしている。直近では企業とNPOの協働についての仕事をしている。その仕事の中でデジタルハブの活用をしていくことで進むかなと思ったので、今後の活動でデジタルハブのサイトシステムをぜひ使わせていただきたい。
・問題と課題を切り分けて語っていくのが大切ではないか。やらなきゃいけないけど後回しになっているところに、どう立ち向かっていくか、関係性を作っていくかが大切。社協の認知率が低いことも課題として考えている。災害の際だけではなく、日常時から呼びかけることで災害時にスムーズに活動できるのではないか。
・今日の話は、目の前の解決しなければならない課題。一つずつ丁寧に解決していくことが地域としては重要なことではないかと思った。
・きっとこんな話になるんじゃないかと想像していたより、期待以上だったこともあって楽しかった。定期的に参加したい。どうにか解決していかなきゃいけないことが多くあるので、デジタルハブを活用していきたい。
・デジタルハブのサイトに掲載されるものより、こういう場で話すと多くの議論が生まれるなと思った。少しずつデジタル化をしていくことが重要だと思った。
・中々、みんなと意見を交わせる場を経験することがなかったので不安だったが、チャットと合わせて意見が飛び交い、これからに期待が深まった。

内容の詳細は以下になります。
■課題提供 「テーマ外来種の分布拡大について」 (栃木県自然環境課)
外来種は外国から持ち込まれただけじゃなく、本来生息しない地域への移動、例えば北海道から本州、関西から関東へというのも外来種となる。
①生態系への影響
  在来種を食べてしまう、生息地を奪う、交配してしまう。
②農業林業漁業への産業への影響
  産物を食べてしまう。クビアカツヤカミキリは果物とかの木を枯らしてしまう。
  養殖している魚を食べてしまう生き物もいる。
③人の健康や命、生活への影響が存在する
  毒を持っていて危険だったり、人を噛んだり刺したりしてしまうものもいる。
  例えば、ハクビシンは家屋の屋根裏に住みついて糞尿で汚して生活環境を悪化させる。

これまでの取り組みとしては、
①県対策方針等の策定
②外来種ごとに対策の推進 

今後の課題としては2つ
①県民の意識の向上
 外来種問題は、(1)ペット等として飼っていたものを放つこと、(2)貨物等に紛れて入り込んでしまうことから始まる。
 そのうち、(1)は、実情を知ってもらってもらうことで、確実に防げることから、県民にもっと知って欲しい。外来種の対策は長期間にわたってコミットしていかないといけない。
 地域との連携が必須。興味を持ってもらえないと情報を届けられない。
②外来種に関する情報収集
 蔓延してしまったものを根絶することはとても大変。早期発見には専門家だけの知見や監視では足りない。
 県として対策を行っているが、意識啓発や県民からの情報提供が、まだ十分ではない。


課題に対する参加者からの質問
①外来種はどこから持ち込まれる?
 →ホームセンターで買ったペットとか植物とかを野外に放してしまう。
  知らないうちに外国から運ばれてきてしまう。
②食物連鎖に影響を及ぼして、他の種の生態系に影響してしまうということ?
 →アメリカザリガニがサンショウウオを絶滅寸前にまで追い込んでいる。
  特定の生物だけの問題ではなく、影響を受けた生物は他の生物にも影響を与えているので、連鎖して他の種にも大きな影響を与えてしまうことも考えられる。
③全国的には民間企業団体と住民と一緒にやっているというのは事例ある?
 →民間企業とイベント的に関わることはあっても、それ以上の話はあまり聞いたことがない。
  NPOが、地元の人や団体と連携して取り組んでいる例がある。
④沖縄のハブの駆除(一匹あたりいくら出る)みたいに現金とかポイントみたいにすれば、興味が喚起されるのではないか。(意見)
⑤外来種がいることによって生態系が成り立ったりすることはないの?
 →外来種もその中にいるからそういう視点もあるが、元々そこにいた生き物ではない。食われる側が長い年月をかけて身につけてきた防衛手段が通用しない外国の生き物が来てしまうと簡単に滅ぼされてしまう。
⑥遊び心を取り入れるのといいのではないか。(意見)
⑦人間の役に立つ益虫(外国から持ち込まれる)もあるけど、どう考える?
 →稲も捉え方によっては外来種。リンゴとかソメイヨシノとか。
  外に出てしまうとよくない。役に立つ生き物は役に立たせるが、外に出さないように、他のところに行かないように管理していかないと問題になってしまう。
  益虫だからいいよねではなく、うまく付き合ってく必要がある。
⑧公の場所の虫とか植物を捕まえていいの?河川敷とか。
 →人の家の植物を抜くのはダメ。先ほどのNPOの例だと、その河川を管轄している機関に連絡して活動しているらしい。
  しかし、植物はとにかく、虫の場合報告受けてもその後の対応が難しいことから、捕まえてもらうのがいいのかも・・・?


課題アイデアについての意見交換
・ブラックバスとか外来種って言われてるけど、30年後も外来種って言われるのかな。それとも、許してもらえるのだろうか。いつになったら馴染むと言えるのか。
・種類が多すぎてどうすればいいかわからない。見つけたら一々報告してくのがいいのか。全部対応しきるには厳しいので優先順位をつけて欲しい。
→優先対策手11種、対策検討種13種を指定し、優先順位をつけている。これから広がる種もあるし、すでに蔓延しているものもある。全てはキリがないと思うので、いたらヤバいものとかを優先的に教えて欲しい。
・近くにヒアリがいたら問題だよね、通学路とかだと余計に。専門家だけじゃ足りないよね。
・道路110番とかはよくあるよね。介護施設とゴミ収集車が協力して、徘徊する高齢者を見つけるシステムもあるから、そんな感じで地域にインフラに関わっている人達に連携を頼むのもアリだけど、もうすでに業務があるから難しいよね。もしかしたら子供の方が発見しやすかったりするかもしれないから、教育と結びつけてDX的なことができていったらめっちゃいい。
→ドライバーさんたちとの協力はすごい素敵。花とかならできるかな。子供たちもいいと思います。生き物を見つけるプロだなと思うことが多い。足利ではクビアカツヤカミキリを見つけるための子供たちの組織があるから、他でも応用していけたらいいのではないかと思う。Googleレンズみたいな物とも連携できたらいいと思う。
・博物館のイベントに来てくれてる方達に啓発したらいいんじゃないか。
・子供たちを巻き込むのはテクニカル的に可能?
→多くの人に協力を仰ぐならスマホ。LINEを使って多くの人に周知していくのは大切。外来種図鑑も活用できるでは。AIは難しいかもしれないけど、通報機能とか写真添付機能をつけるものができればすぐに使えるのでは。現金だとイヤらしいので、ポイントにした方が訴求力はあるのではないか。(ワンピースみたいに懸賞金みたいに見せたら面白い)

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